苺の植付け準備。肥料篇

早くも9月。後三ヶ月で「あけましておめでとうございます」です。

ただいま当園は苺の高設の肥料をふっています。
土耕栽培より肥料総量は減りましたが、土地全体ではなく狭い幅に投入していくので
物凄く時間がかかります。

450坪のビニールハウスに対して少ない肥料は6キロしか使いません。
多い奴は百キロとバラバラです。
トータル300キロ以下です。

これらを首掛けの肥料桶に入れて何往復も振り分けています。

4日でやっと見通しがたちましたが首が痛いです(笑)

当園は溶液栽培もできる設備かあるので、肥料はなくても作れるのですが
より甘くて美味しいいちごにする為に細かく肥料を入れています。

今回は固形肥料を12種類です。
2種類は植える直前に使います。
液体肥料は少し手抜きで7種類です。

もう香辛料レベルです(笑)
効率を考えたらもっと減らせるのですが、今しかできない事をやる事で複雑でクリアな味わいを目指します。

同じ苺を作る為に毎年同じ事をやらない

今年は半分程度去年と同じ肥料で半分は全く去年使ってません。
半分は使っていた物をやめました。
これがまた戻ったり、同じ物を使用したりは年によって様々です。

理解されにくいのですが去年と同じレベルで美味しくする為にあえて違うものを使う必要がありました。
普通は去年と同じにする為に同じ肥料を使うのですが、当園はやりません。

農業コンサルタントする時は混乱させるので少なくしていますが、レベルが上がれば必然的に種類が増えてきます。
また過去から紐解くので、その結果によっては同じ物を使い続けて貰う必要もあります。

有機も化成も使います

当園はより良いいちごを目指して有機肥料も化成肥料も使います。
それぞれの良さがありますので、必要に応じて使用します。


有機肥料も突き詰めたら化学ですし、化成肥料も天然鉱石抽出物です。
正しく使う事が大切です。

実際優れた有機農家は科学の力を利用してます。
そして科学は有機肥料の良さも証明しています。

だからこそ、科学は有機肥料の弊害もわかっています。
勿論、化成肥料においても良さと悪さが存在します。
それらのバランスをどうしていくのか?
これは当園の課題です。

肥料を機械で混ぜます

肥料が振り終わったら機械で混ぜていきます。
初めて高設ができた時はスコップで混ぜてたそうです。
この頃なら溶液だけでやってたかもしれません(笑)

土耕では同じ作業後トラクターで耕耘して管理機で畝(うね)を作ります。(土を跳ね上げて土をかまぼこ状にしていく)

肥料と土をなじませる為に植える2週間前に仕上げておく事が望ましいとされています。

農業は色んな学問が総合されている

詳しく書くと面倒なのですが
農業は植物学、化学、微生物学、気象学、生物学
最低この辺りの一部ですが全部理解していないとなかなか前に進みません。
以前は賢くなくてもできる産業として言われてましたが現在はそれでは残れません。
以前から親の継承で感覚でやってる人が多いし、それでなんとかできていたからでしょう。

始めてみるとこれらの知識がとても必要で
そこからさらに農業に昇華していくのがとても大変です。
知識があっても実践できていない事が多々あります。

企業が参入しても上手く作れずに撤退する理由の一つですね。
現時点ではそれでも感覚で作ってる農家の方が有利です。
これからIOTやICTが駆使されると感覚で作ってる農家は厳しさを増すでしょう。

今年の課題

今年はこれまでの甘さに加えて香りも重視してみようと実験しています。

この様に手間暇かけてます(*´ω`*)
もう少しでいちごのシーズンになります。

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